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研究
外傷性脳幹部損傷—CT scan上high densityを呈した症例より
著者: 小林上郎1 中沢省三1 有賀徹2 矢埜正実2 大塚敏文2 西邑信男2 本多一義3
所属機関: 1日本医科大学脳神経外科 2日本医科大学救命救急センター 3日本医科大学放射線科
ページ範囲:P.1165 - P.1174
文献購入ページに移動頭部外傷急性期の剖検時に,mass lesionを有しない一次性の脳幹部損傷(著者らの用いる脳幹部とは,corpus striatum,diencephalon,mesencephalon,Ponsおよびmedulla oblongataまでを総括する広義の脳幹部を指す19))が存在する.事実は,既に諸家の述べるとおりである1,6,20,21,24,33,34).しかしながらCT scanが頭部外傷の診断に広く用いられ,絶大な威力を発揮するようになった昨今でも,これにより確かめられた脳幹部損傷の報告は極めて少なく,その詳細な解析はほとんどなされていない.最近著者らは,CT scan上でhigh densityとして確認しえた6例の外傷性脳幹部損傷を経験し,これらのCT所見および発生機序,更に予後との関係を中心に検討したので報告する.
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