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症例
頭蓋内脊索腫の1例—そのCT所見を中心に
著者: 門田紘輝1 笹平正廣1 浜田博文1 粟博志1 松田一己1 朝倉哲彦1
所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科
ページ範囲:P.173 - P.179
文献購入ページに移動脊索腫の頭蓋内発生頻度は,統計により種々異なるが,一般的には頭蓋内脊索腫(intracranial Chordoma)は,全脳腫瘍の0.1−0.3%を占めるといわれている25).最近の脳腫瘍全国集計調査報告Vol.221)によると,本邦では4年間の令脳腫瘍例中33例が記録されており,0.5%の頻度で,前記よりやや高くなっているが,それでも稀な脳腫瘍の1つである.
近年臨床に導入され,かつ急速に普及したComputed Tomography(CT)により,脳腫瘍の臨床においても数多くの知見が寄せられ,腫瘍の局在や拡がりはもとより,その病理組織学的性質も,かなりの程度まで推定し得る段階となってきた18).しかし「CT時代」といえる現在でも,本来稀な腫瘍であるがために,脊索腫のCT所見を解析した報告は少ない7,8,19,30).最近私共は,頭蓋内脊索腫の1例を経験したので,その臨床経過にCT所見を併せ,若干の文献的考察を加えて報告する.
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