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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻4号

1980年04月発行

文献概要

総説

血行再建と脳のエネルギー代謝—脳虚血と生化学

著者: 小暮久也1

所属機関: 1マイアミ大学医学部神経内科・医化学,脳血管障害研究施設

ページ範囲:P.313 - P.327

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Ⅰ.はじめに
 閉塞性の脳血管障害によって,脳に虚血巣ができた場合,その中心部から辺縁部,そして周囲の正常に還流されている組織にいたる移行部(transitional zone)では部分毎に血流減少の度合いが異なり,組織が傷害される機序も異なる(heterogeneous brain injury in ischemia).また、時間が経てば側副血行の増加による虚血後還流(postischemic circulation)を受ける部分も混在するようになるので,その後の虚血による脳細胞傷害の過程(intraischemic events)は,虚血後の過程(postischemic events)に修飾されながら数時間から数日のあいだ進行する.機化の過程は更に数カ月から数年にもわたって進行するといわれる1).体系化された合理的な治療法(systematized rational therapy)は,このように立体的にも時間的にも拡大し変化する過程(dynamicevolving process)を正しく理解することによって,はじめて可能になる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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