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研究
長期クリッピング,結紮による頭蓋内血管壁の経時的,組織学的変化—第2報 臨床剖検例における検討
著者: 蛯名国彦1
所属機関: 1弘前大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.343 - P.354
文献購入ページに移動Ⅰ.緒言
脳動脈瘤柄部クリッピングに用いられているクリップについて機械工学的性状に関する研究はいくつか報告5,11,19,23,30,34)が見られ,また,temporary clippingによる血管壁の変化に関する研究も近年相次いで報告7,14,17,34,37)されているが,permanent clippingあるいは結紮による動脈瘤柄部血管壁の変化に関する検索はあまり行われていないようである.この点について,先に第1報においてはspring type clip, non spring type clip,および結紮による血管壁の変化について雑種成犬を用いた動物実験を行い,クリッピングあるいは結紮部位に高率に血管壁の壊死が発生するが,同時に周囲に反応性の肉芽組織が形成され,また,隣接血管の内膜肥厚が起こることによって,血管すなわち動脈瘤柄の脱落は免がれるといった縞論を得た.今回は同様の検索を臨床例において行うべく脳動脈瘤根治手術後に死亡した臨床剖検例を対象とし,クリッピングによる血管壁の経時的,組織学的検索を行い,クリップの至適条件などについても考察を加え,検討を行った.
脳動脈瘤柄部クリッピングに用いられているクリップについて機械工学的性状に関する研究はいくつか報告5,11,19,23,30,34)が見られ,また,temporary clippingによる血管壁の変化に関する研究も近年相次いで報告7,14,17,34,37)されているが,permanent clippingあるいは結紮による動脈瘤柄部血管壁の変化に関する検索はあまり行われていないようである.この点について,先に第1報においてはspring type clip, non spring type clip,および結紮による血管壁の変化について雑種成犬を用いた動物実験を行い,クリッピングあるいは結紮部位に高率に血管壁の壊死が発生するが,同時に周囲に反応性の肉芽組織が形成され,また,隣接血管の内膜肥厚が起こることによって,血管すなわち動脈瘤柄の脱落は免がれるといった縞論を得た.今回は同様の検索を臨床例において行うべく脳動脈瘤根治手術後に死亡した臨床剖検例を対象とし,クリッピングによる血管壁の経時的,組織学的検索を行い,クリップの至適条件などについても考察を加え,検討を行った.
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