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研究
Metrizamideの脳脊髄液腔造影効果とその副作用
著者: 藤原潔1 玉木紀彦1 山下英行1 江原一雅1 大洞慶郎1 塩見壮司1 頃末和良1 楠忠樹1 野垣秀和1 松本悟1
所属機関: 1神経大学脳神経外科
ページ範囲:P.371 - P.378
文献購入ページに移動脳脊髄液腔の造影には空気,油性造影剤,水溶性造影剤,RISA,169Yb-DTPA等が用いられているが,いずれも造影効果や副作用に関して難点が多く診断価値は充分とはいえない.そこで神経系の特殊性を考慮し,副作用のより少なく診断価値のより高い造影剤の開発が常に求められてきた.非イオン性水溶性造影剤であるmetrizamidc(AmipaqueR)はこの神経放射線学領域の要望に呼応するかのように開発され,北欧では既に膨大な動物実験や臨床治験を経て実用に付されている3,10,17).わが国においてもようやく臨床治験の報告が散見されはじめたが,その安全性はいまだ充分に検討されていない2,8,10,15,19-22).
われわれも1976年よりmetrizamideを用いて現在までに169回の臨床治験を行い,その副作用を詳細に検討したところ,頭蓋内外の脳脊髄液腔の造影剤としてすぐれた造影効果と安全性を有するという結論を得たので報告する.
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