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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻4号

1980年04月発行

文献概要

症例

脳動脈瘤クリップ由来と思われる術後内頸動脈一過性閉塞

著者: 畑中光昭1 田中輝彦2

所属機関: 1弘前大学脳神経外科学 2青森県立中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.389 - P.393

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Ⅰ.はじめに
 脳動脈瘤のクリップとしては従来のV型,U型のsilver,またはtantalum clipに代わって着脱が可能でかつクリッピングに際して力の加減の容易な点などから種種のspring typeのクリップが多く用いられるようになっている.しかし近年,クリップの破損,滑脱などの報告も散見されるようになり,spring clipにおいても種々の問題点が指摘されるようになったが,その1つとして,いずれのspring clipにも共通なクリップ頭部の大きさが挙げられる.最近,巨大脳動脈瘤に対して柄部クリッピングおよび動脈瘤切除を行ったところ,術後クリップ頭部が脳により圧排され変位したため頭蓋内内頸動脈が屈曲し,一過性に完全閉塞をきたした症例を経験した,これを報告し,spring typeの大きな頭部がもたらす問題点とその対策についても述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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