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総説
虚血脳
著者: 中川翼1
所属機関: 1北海道大学脳神経外科
ページ範囲:P.409 - P.422
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
「虚血脳」の病態生理,治療の問題は,現在もなお多方面より検討されている.それはこの問題が究極的には「脳組織の可逆性」の問題に通じうるからであろう.その上,血管吻合の技術導入,CTスキャン,各種脳血流量測定法の普及31,43,54,55,62),Positron emission tomographyの臨床応用等39,62-64)により,近年「虚血脳」の研究は動物実験のみならず臨床研究の分野でも飛躍的に発展している.ここで大切なことは,これら基礎ならびに臨床研究間の無理のない融合であると思われる.したがって,本稿では「虚血脳」に関する基礎ならびに臨床研究を整理し,基礎研究の臨床上の位置づけ,臨床研究の基礎的裏づけについて考えてみた.
「虚血脳」の病態生理,治療の問題は,現在もなお多方面より検討されている.それはこの問題が究極的には「脳組織の可逆性」の問題に通じうるからであろう.その上,血管吻合の技術導入,CTスキャン,各種脳血流量測定法の普及31,43,54,55,62),Positron emission tomographyの臨床応用等39,62-64)により,近年「虚血脳」の研究は動物実験のみならず臨床研究の分野でも飛躍的に発展している.ここで大切なことは,これら基礎ならびに臨床研究間の無理のない融合であると思われる.したがって,本稿では「虚血脳」に関する基礎ならびに臨床研究を整理し,基礎研究の臨床上の位置づけ,臨床研究の基礎的裏づけについて考えてみた.
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