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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻5号

1980年05月発行

文献概要

Current Topics

Kindling Effect

著者: 佐藤光源1

所属機関: 1岡山大学神経精神科

ページ範囲:P.429 - P.432

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Ⅰ.燃えあがり現象と転移現象
 一定の脳部位をある刺激強度と刺激間隔で繰返し電気刺激していると,はじめは行動と脳波上ごくわずかなてんかん様反応にすぎなかったものが,次第に反応の増強をきたし,やがて全身けいれんに発展する.これが"燃えあがり現象"3)である(Fig.1).いったんこの現象が形成されると,反復刺激を中止した後にも,1)それまでに形成された発作性放電(Fig.2)が少なくとも1年間持続すること,2)自発全身けいれんが起こりうること,3)その発作型が"燃えあがり現象"で形成された二次性全汎化けいれんと同じか,その鏡像であることが知られている10)
 更にあらかじめある脳部位でこの現象を形成しておくと,そうでない場合に比べ他の脳部位における"燃えあがり現象"の形成が有意に促進され,容易に全身けいれんに発展する.これが"転移現象"である3).この現象も永続性であり,反復刺激を加えた一次焦点部位を別除してもなお存在する.このため"転移現象"は,一次焦点部位の反復刺激中に生じた広汎な,二次脳部位への経シナプス性変化によるものと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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