文献詳細
文献概要
症例
脳性肺水腫の1例
著者: 小林一夫13 平井秀幸1 松下紀彦1 前中由巳2
所属機関: 1済生会神奈川県病院脳神経外科 2済生会神奈川県病院胸部外科 3慶応大学脳神経外科
ページ範囲:P.481 - P.487
文献購入ページに移動脳性肺水腫(神経原性肺水腫)は,心・腎・肺に原疾患はなく,中枢神経系の障害から二次的に続発する急性肺水腫である.比較的稀な疾患であるといわれているが,頭部外傷,頭蓋内出血,脳腫瘍,脳梗塞,てんかん発作等に伴って発生した脳性肺水腫の報告1-3,7,8,11,13.16)は必ずしも少なくはない.
脳性肺水腫は,発症が急激で,病態の変動が著しいため,臨床検査と平行して治療を進めなければならない場合が多く,その発生機序や病態の解明に,十分な検査成績を得ることは困難である.われわれは,最近,頭部外傷に基づく脳性肺水腫の1例を経験し,CTを含めた諸検査により若干の知見を得たので,文献的考察を加え検討したい.
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