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Case Study
片麻痺を主症状とした頭蓋咽頭腫
著者: 矢田賢三1 宮坂佳男1 佐藤健1
所属機関: 1北里大学脳神経外科
ページ範囲:P.519 - P.526
文献購入ページに移動頭蓋咽頭腫は小児脳腫瘍の代表的なものの1つであり,その臨床像は頭蓋内圧充進,眼症状,内分泌障害および頭蓋レ線上の石灰化像が特徴的である1,16).一方,成人例を含めても本腫瘍が運動麻痺を呈することは極めて少ない1,2,7,18,19).これは頭蓋咽頭腫の発育方向が主として上方進展を示し,第3脳室圧迫の傾向を取るためと理解される19).
著者らは最近,片麻痺を主訴として来院し,諸検査および手術によって,側方進展を主とした巨大な頭蓋咽頭腫であることを確認した小児例を経験したので,確定診断までの経緯を中心に報告する.
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