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研究
眼窩腫瘍の手術—発生部位と接近法の検討
著者: 渡辺孝男1 児玉南海雄1 森照明1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.545 - P.549
文献購入ページに移動眼窩腫瘍は,高安らの報告12)によれば眼疾患の約0.16%を占めるにすぎず,比較的稀な疾患である.しかもこの数値は,眼窩骨部の腫瘍やmucocele等も含んだものであり,眼窩内腫瘍に限ればその頻度は更に低くなる.眼窩内腫瘍の治療法は腫瘍摘出が基本であり,手術方法としてはanterior approach,lateral approach,transcranial approachなどが主として用いられている.ただし腫瘍が悪性であれば眼窩内容除去術が行われ,薬物療法の無効なpseudotumorには,眼窩のdecompressionの意味で手術が行われる場合がある.
anterior approachの適応は,腫瘍が眼球赤道線より前方にある場合であり,主として眼科医あるいは耳鼻科医により行われている.
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