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文献概要
症例
脊椎内Epidermoid cyst—腰椎穿刺の合併症として
著者: 工藤玄恵1 大河原重久1
所属機関: 1東邦大学第1病理学教室 2ロチェスター大学メディカルセンター脳神経外科学
ページ範囲:P.583 - P.586
文献購入ページに移動脊椎内epidermoid cystは稀な疾患であるが,実は,その多くが腰椎穿刺と因果関係を有することが知られている1-4,10,11,14,15). われわれも腰椎穿刺後に発生した脊椎内epidermoid cystの1例を経験したので,文献考察を併せ報告する.
腰椎穿刺に起因したと思われる脊椎内epidermoidcystの1例を報告した.患者は57歳の男性で,第4腰椎椎間板ヘルニアの精査のため,脊髄造影術を受けた.穿刺は第2腰椎間で行われた.診断確定後,椎間板ヘルニア切除術を施した.術後2年目,前回の穿刺部位,第2腰椎間を中心にepidermoid cystの発生が認められた.
腰椎穿刺による医原性epidermoid cystの発生頻度や機序についての文献考察を加え,その発生防止のため,内針のよく適合した腰椎穿刺針を正しく用いることが肝要であることを述べた.
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