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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科8巻7号

1980年07月発行

文献概要

Case Study

下垂体腺腫の放射線照射後に発生した巨大下垂体肉腫

著者: 荘秀雄1 難波宏樹1 石毛尚起1 大里克信1 中村孝雄1 山浦晶1 牧野博安1

所属機関: 1千葉大学脳神経外科

ページ範囲:P.605 - P.614

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Ⅰ.はじめに
 トルコ鞍内に発生する下垂体腺腫の発育方向は,主として鞍横隔膜を押し上げて上方に向かって進展するタイプが多く,これ以外のトルコ鞍外下方,後方,前方に向かって進展することは比較的稀な現象である.
 最近,われわれは嫌色素性下垂体腺腫が,初回手術とこれに続く放肘線療法の後,11年間の長期経過を経て,急激な悪性化(肉腫化)を示し,短期間に前頭葉,眼窩,口腔内にまで達する巨大な腫瘍となって,悪性化後約8カ月で死亡した症例を経験した.臨床経過,剖検所見について報告し,合わせて下垂体腺腫の鞍外進展extrasellar extensionおよびpostirradiation sarcomaを中心に若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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