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症例
Optociliary veinsを伴った眼窩内視神経周囲髄膜腫の1例—髄膜腫兄妹例
著者: 中川福夫1 小林茂昭1 京島和彦1 辻勉1 杉田虔一郎1 塚原重雄2 杉浦満男3
所属機関: 1信州大学脳神経外科 2諏訪赤十字病院眼科 3岡崎市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.853 - P.858
文献購入ページに移動眼窩内腫瘍の中で,髄膜腫は比較的発生頻度が少なく,また眼窩内髄膜腫が視神経を取り巻いて鞘状に視神経硬膜下を広範に進展するものは,多くの髄膜腫が被膜をもって球状に発育するのに対し,比較的特異な発育のしかたと思われる.またこうした視神経周囲髄膜腫では,視力障害,二次的視神経萎縮とともに,いわゆるoptociliary veinsの眼底所見が注目されている.今回われわれはこのような特異な発育を示した眼窩内髄膜腫で,岡時に極めて稀な髄膜腫の家族発生例である症例を経験したので,その経過の概要と眼窩内髄膜腫の発生頻度,部位,臨床症状,診断,髄膜腫の家族発生についての文献的考察を加え,またわれわれの行った経頭蓋到達法による眼窩内腫瘍摘出術についての若干の経験について報告する.
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