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研究
小脳Hemangioblastomaの脳血管造影—特に濃染像,血行動態の所見,更に脳血管造影とCTとの所見の対比
著者: 北岡憲一13 伊藤輝史1 田代邦雄1 阿部弘1 都留美都雄1 宮坂和男2
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学放射線科 3美唄労災病院神経外科
ページ範囲:P.37 - P.49
文献購入ページに移動脳(テント上,後頭蓋窩を含む)の血管芽腫hemangioblastoinaは,その頻度が,全脳腫瘍の1-2%で,後頭蓋窩腫瘍の7-8%といわれ40,42,46),われわれの教室でも後頭蓋腫瘍250例のうち,小脳のhemangioblastomaに限ると16例(6.4%)であり,比較的稀なものである.しかしながらこの腫瘍は褐色細胞腫の合併37),赤血球増多症の合併33),家族発生1,4),多発性20),奇形の合併等52),多彩で特徴ある所見を呈することがあるため67),これまでに報告の多い腫瘍でもある.脳血管造影所見についても,その濃染像の特徴を有することが知られており,文献も少なくない23,36,38,59,65).
しかし神経放射線学上の,まとまった症例での詳細な報告は意外に乏しい.最近われわれは小脳hemangioblasternaを8例経験した.それら自験例の脳血管造影所見の検討を行ったが,今回はそのなかでまず第一に濃染像について再検討を加え,腫瘍の肉眼的性状との相関を通じて濃染像の新たな分類も試み,次いでこれまで非常に報告の乏しかった血行動態については若干の新たな知見を得たので報告し,更に脳血管造影とCTとの所見の対比も行ったので,それらの結果について文献的考察を加えて報告したい.
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