文献詳細
文献概要
研究
上肢筋の萎縮を主徴とするCervical spondylosis
著者: 角家暁1 大橋雅広1 広瀬源二郎2 山本悌司2
所属機関: 1金沢医科大学脳神経外科 2金沢医科大学神経内科
ページ範囲:P.59 - P.64
文献購入ページに移動cervical spondylosisによるradiculomyelopathyは多種多様な病像を呈するが,なかでも運動麻痺が主症状で他覚的な知覚症状を欠くためmotor syndromeと分類される症例は4,6),進行性変性疾患であるmotor neurondiseaseとの鑑別が特にむずかしく,手術適応を考える際問題になることが多い.特に上位近位筋群の萎縮を主徴とし,腱反射の低下があり,錐体路症状を欠く症例の場合,診断の決め手のないまま経過観察される間に不可逆性の病変に追い込まれることがある.
われわれがこれまでにcervical spondylotic radiculomyelopathyとして前方手術を行った症例は53例であるが,このなかでmotor syndromeと分類した症例は7例であり,このうち3例が三角筋,上腕二頭筋,上腕三頭筋等のC5−C7髄節支配筋の萎縮を伴った筋力低下のみで知覚症状は令くなく,2例は術前progressive spinalinuscle atrophy,およびWohlfart-Kugelberg-Wellander病と疑診されていた.
掲載誌情報