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症例
Shunt手術による腹腔内合併症—腸穿孔例と文献的検討
著者: 伊藤正治1 津金隆一1 大矢昌紀1 野尻健1 佐藤修1 三石洋一12
所属機関: 1東海大学脳神経外科 2東京女子医大小児科
ページ範囲:P.81 - P.88
文献購入ページに移動水頭症に対するシャント手術術式は,歴史的にみると,20世紀のはじめから約20種類にも達している.それらはシャントシステムの改良とあいまって変遷し,現在主に用いられているのは,脳室腹腔吻合術(以下V-P shunt),脳室心耳吻合術(以下V-A shunt),腰椎くも膜下腔腹腔吻合術(以下L-P shunt)の3種類であり,シャントチューブの材質はシリコンゴムである,これらの中で最も頻用されているのはV-P shuntであり,これは1955年Scott et al.の記載以後が主なものである.以来二十数年の歳月とともに多くの改良がなされ,その一般的な有用性については論を待たないが,この間に,これ特有な種々の合併症の報告も多数なされている.わが国でも,多くの脳神経外科医が腹腔側での合併症例を少なからず経験していることと考えるが,しかし,日本の文献を渉猟するかぎりその報告例は極めて少ない.そこでわれわれは,今回経験したシャントチューブの腸穿孔例を略述するとともに,報告例を文献的に集計し,若干の検討を加えた.
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