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研究
海綿静脈洞
著者: 宮崎久彌12
所属機関: 1北九州産市立八幡病院脳神経外科 2長崎大学脳神経外科
ページ範囲:P.1131 - P.1138
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23症例,計37個の海綿静脈洞を採集し,その血管構築像について検索を行った.まず,12個の海綿静脈洞を液体窒素を用いて零下150℃に凍結し,海綿静脈洞の中央部でcoronalに切断して海綿静脈洞の内部構造を観察した,更に,25個の海綿静脈洞を10%ホルマリンで固定後,厚さ10-15μの海綿静脈洞の連続組織切片を作製し,ヘマトキシリン・エオジン染色を施してmicroscopicに検索した.
海綿静脈洞の外壁は最外層のdense connective tissueと,その内側のloose connective tissueよりなっており,神経,小動静脈ならびに脂肪組織を内包している上第Ⅲ,ⅣならびにⅤ脳神経は,標本すべてにおいて外壁中を走行しているが,第Ⅵ脳神経では,外壁中を走行しているものは全標本の48%に過ぎない.一方,内頸動脈は,その72%が全周をvenous sinusに取り囲まれて走行している上venous sinusの内面は内皮細胞によって被われている,venous自体の形態ならびにその大きさは,かなりの個体差があるが,ほぼ3群に分けられる.①梁柱の密生しているbroken venous channel(58%),②梁柱の少ないunbroken venous channel(33%),③残り9%が梁柱が存在せず,venous sinusが数個のbranchに分かれたsmall scattered venous channelsである.
23症例,計37個の海綿静脈洞を採集し,その血管構築像について検索を行った.まず,12個の海綿静脈洞を液体窒素を用いて零下150℃に凍結し,海綿静脈洞の中央部でcoronalに切断して海綿静脈洞の内部構造を観察した,更に,25個の海綿静脈洞を10%ホルマリンで固定後,厚さ10-15μの海綿静脈洞の連続組織切片を作製し,ヘマトキシリン・エオジン染色を施してmicroscopicに検索した.
海綿静脈洞の外壁は最外層のdense connective tissueと,その内側のloose connective tissueよりなっており,神経,小動静脈ならびに脂肪組織を内包している上第Ⅲ,ⅣならびにⅤ脳神経は,標本すべてにおいて外壁中を走行しているが,第Ⅵ脳神経では,外壁中を走行しているものは全標本の48%に過ぎない.一方,内頸動脈は,その72%が全周をvenous sinusに取り囲まれて走行している上venous sinusの内面は内皮細胞によって被われている,venous自体の形態ならびにその大きさは,かなりの個体差があるが,ほぼ3群に分けられる.①梁柱の密生しているbroken venous channel(58%),②梁柱の少ないunbroken venous channel(33%),③残り9%が梁柱が存在せず,venous sinusが数個のbranchに分かれたsmall scattered venous channelsである.
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