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症例
後頭動脈多発動脈瘤を伴った頭皮動静脈奇形の1例
著者: 大野喜久郎14 戸根修2 稲葉穣2 寺崎平3
所属機関: 1国立立川病院脳神経外科 2東京医科歯科大学脳神経外科 3国立立川病院外科 4富士吉田市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.1187 - P.1191
文献購入ページに移動頭皮の先天性動静脈奇形および非外傷性動脈瘤は,頭蓋内のそれぞれに比して両者とも稀である.PerretおよびNishioka6)は510例の頭蓋および脳の動静脈奇形の中にわずか4例の頭蓋外頭部にのみ局在した動静脈奇形を見出し,Wagaら14)は同様に75例中に3例を報告した.一方,SchechterおよびGutstein9)は131例の浅側頭動脈の動脈瘤で非外傷性のものはわずかに11例であったとしている.このように症例数としては稀ではあるものの,頭皮あるいは顔面の動静脈奇形ならびに動脈瘤は種々の臨床症状を生ずることが知られ,またときにその治療が困難なことがある.
われわれは,頭皮の先天性動静脈奇形とその主たるfeederである後頭動脈に多発性動脈瘤を合併し,steal現象と考えられるめまいを主訴として来院した稀な1例を経験したので,その外科的治療とともに報告する.
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