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総説
聴覚脳幹誘発電位の起源と臨床応用
著者: 橋本勲1
所属機関: 1都立神経病院府中病院・脳神経外科
ページ範囲:P.1339 - P.1351
文献購入ページに移動I.はじめに
聴覚脳幹誘発電位brainstem auditory evoked potentials (以下BAEPと略す)は脳幹の機能検査法として,また脳幹障害の部位診断法として今日広く用いられている.本誌のcurrent topicsとしてBAEPが取り上げられてから3年以上になる(橋本ら1978)17).その間に多くの研究が発表され,臨床応用も物珍しさの時期を過ぎて評価が定まり,日常生理検査として一般に定着しつつある.しかし頭皮上から記録されるこの短潜時の反応(10msec以内)の発生機序についてはいまだ不明の部分が少なくない22).本稿ではこの反応の本態が現在どこまで明らかにされたのかを考えてみたい.またBAEPの臨床応用については,まず刺激条件や記録条件によって,この反応がどのような影響を受けるのかを検討した上で,臨床応用の範囲,それぞれの分野におけるBAEPの有効性および限界について述べる.
聴覚脳幹誘発電位brainstem auditory evoked potentials (以下BAEPと略す)は脳幹の機能検査法として,また脳幹障害の部位診断法として今日広く用いられている.本誌のcurrent topicsとしてBAEPが取り上げられてから3年以上になる(橋本ら1978)17).その間に多くの研究が発表され,臨床応用も物珍しさの時期を過ぎて評価が定まり,日常生理検査として一般に定着しつつある.しかし頭皮上から記録されるこの短潜時の反応(10msec以内)の発生機序についてはいまだ不明の部分が少なくない22).本稿ではこの反応の本態が現在どこまで明らかにされたのかを考えてみたい.またBAEPの臨床応用については,まず刺激条件や記録条件によって,この反応がどのような影響を受けるのかを検討した上で,臨床応用の範囲,それぞれの分野におけるBAEPの有効性および限界について述べる.
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