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総説
小児脳腫瘍—治療法の選択とその遠隔
著者: 高久晃1 遠藤俊郎1 岡伸夫1
所属機関: 1富山医科薬科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1453 - P.1468
文献購入ページに移動小児における悪性腫瘍の中で,脳腫瘍は白血病に次いで第2位(Koos 197155),癌の子供を守る会1973130))に位置しており,15歳以下では悪性腫瘍の約12%を占めるとされている.すなわち,いわゆる小児がんの克服という見地からも極めて重要な位置にある疾患である.
諸家の統計からも(Koos 197155),三輪197782))明らかなように,これら小児期の脳腫瘍は,生命の危険なく安全に摘出できるような良性腫瘍は比較的少なく,組織学的には良性腫瘍でも,その発生部位からみて全摘出が不可能な腫瘍も多い.また臨床的に全摘出できたと思った症例でも,局所再発が多く,また髄腔内転移を来たす悪性腫瘍も多い.いずれにしても,手術のみの治療では不充分で,放射線療法,化学療法などの補助的療法を必要とするものが多いのが事実である.
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