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研究
破裂脳動脈瘤における脳血管撮影像上の脳血管攣縮像と局所脳循環の関連—中大脳動脈領域の脳血管攣縮と遅発性片麻痺の関連
著者: 松崎隆幸12 水上公宏1 河瀬斌1 田沢俊明1
所属機関: 1脳血管研究所美原記念病院脳神経外科 2中村記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.1511 - P.1516
文献購入ページに移動1951年Ecker & Riemenschneider3)が破裂脳動脈瘤における脳血管攣縮像を初めて脳血管撮影でとらえて以来,脳血符攣縮の臨床的意義について幾多の言及1,13,15)がなされてきた.しかし脳血管攣縮が脳虚血症状の原因であるのか,あるいはその存在が予後,手術成績にどの程度影響を及ぼしうるのかという点については必ずしも意見の一致をみていないのが現状である,その理由として,脳血管攣縮が動的に変化するという点が無視されてきたことに原因があると考えられる.
本報告では,この脳血管攣縮の動的変化を考慮し,いかなる脳血管攣縮が神経症状に影響を与えるかを明らかにするため,脳血管撮影像上の脳血管攣縮の程度ならびにその推移と神経症状および平均局所脳血流量(Mean regional Cerebral Blood Flow;mean rCBF)との関連を検討した.
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