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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科9巻2号

1981年02月発行

文献概要

総説

血小板機能抑制効果

著者: 塩栄夫1 亀山正邦1

所属機関: 1京都大学老年医学

ページ範囲:P.113 - P.122

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I.はじめに
 虚血性脳血管障害の発症のメカニズムについては既に多くの考察がなされ,心,大血管の内壁に生じたmural thrombusの遊離流出による脳塞栓症を除けば,いわゆる脳血栓症では脳を灌流する動脈系の硬化,特にアテローム硬化がその最も重大な因子と考えられている.動脈硬化の進展には脂質代謝異常,高血圧が密接に関係していることは明らかであり,最近は特に高比重リポ蛋白の抗動脈硬化因子としての意義が提唱されている.
 アテローム硬化巣,あるいは求心性の動脈壁肥厚を阻害し,末梢の虚血を起こすというのは最も受け入れられやすい理論であるが,血管撮影上,特別な血管病変の認められない脳血栓症例が少なからず存在することは確かであり,血行力学上の不全,あるいは血液そのものの流動性の低下--凝固--といった機構が局所性脳虚血につながるという考え方も改めて重要視されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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