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研究
いわゆる正常圧水頭症のCT所見と短絡術効果との相関について
著者: 藤田勝三1 野垣秀和1 野田真也1 楠忠樹1 玉木紀彦1 松本悟1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.135 - P.140
文献購入ページに移動1965年Adams1)らにより初めて正常圧水頭症なる概念が報告されて以来,数多くの報告が見られるが2,4-6,9,10,12,16,17),本症候群の病態生理についてはなお未解決な問題点が残されているといえる.正常圧水頭症の診断には,詳細な臨床症状の分析,cisternography,気脳写,CTおよび持続脳室内圧の測定等が有力な補助診断法である.特にCTは,脳室系,脳表くも膜下空の形態および脳実質障害の程度を表わすのに侵襲の少ない画期的な検査法であることが認められ2,5,8),現在では気脳写に代わって水頭症,脳萎縮等の診断に広く用いられている.われわれは,臨床症状,cisternographyおよびCT所見により正常圧水頭症(以下NPHと略す)と診断された33症例について,CT所見を詳細に分析し,NPHのCT所見の特徴およびCT所見と短絡術効果との相関について調べ,CT所見より術前に短絡術効果をどの程度予見可能かどうかを検討した.
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