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研究
CT所見よりみた破裂脳動脈瘤早期手術の検討
著者: 高橋慎一郎1 園部真1 長嶺義秀12
所属機関: 1国立水戸病院脳神経外科 2東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.151 - P.156
文献購入ページに移動破裂脳動脈瘤直達手術の目的は,いうまでもなく再出血防止にある.しかしながら,従来くも膜下出血(以下,SAHと略す)発症早期の手術成績は悪く,SAH発症2週以内の手術群と2週以後の手術群とでは,その結果に明らかな差がある1,14,15).反面,晩期手術待機中に再出血あるいは血管攣縮による悪化,死亡の例をみることもまた事実である.このdilemmaを解決するため,現在まで破裂脳動脈瘤の早期手術の適応がHuntのsurgical risk grading4)を指標に種々論じられてきた2,4,6,10,14,16).
一方,CT (Computed Tomography)導入以来,SAHおよび破裂脳動脈瘤についての知見が数多く得られるようになり3,5,8,9,12),最近ではCT所見より血管攣縮の可能性を指摘する論文もみられるようになったが5,11,17),早期手術の結果とCT所見との関連を論じたものは数少ない.
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