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研究
SHR両側総頸動脈閉塞および血行再開の局所脳血流量,皮質脳波に与える影響
著者: 岡田芳和12 島健1 魚住徹1
所属機関: 1広島大学脳神経外科 2国立循環器病センター研究所心臓生理部
ページ範囲:P.165 - P.172
文献購入ページに移動Okamoto & Aoki21)によりWister系ラットの選択的交配から分離された自然発症高血圧ラットspontaneously hypertensive rat(以下SHR)は,本態性高血圧のすぐれたモデルとして用いられている.
SHRの両側総頸動脈結紮による脳虚血実験では,正常血圧Wister rat(以下NTR)と比較して明らかに高いmortalityを示し,過呼吸,irritabilityの亢進,全身けいれん等異常な神経症状が生じることが報告されて以来,SHRとNTRの虚血の差異について,脳代謝,循環生理,形態学の面から研究がなされている4,9-11,17,22,23,28,30).しかし,脳血流と脳機能との関連を生理学的に検索した報告はみられない.そこで本実験では,SHRおよびNTRの両側総頸動脈結紮後,経時的に脳血流と皮質脳波の変化を追跡した.また,SHRの両側総頸動脈閉塞後,約1時間,3時間後に血行再開を行い,脳血流,脳波に及ぼす影響等についても検討を試みた.
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