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症例
Persistent primitive hypoglossal arteryを伴った脳動脈瘤の1例
著者: 平原一穂1 朝倉哲彦1 上津原甲一2
所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科 2加世田病院脳神経外科
ページ範囲:P.197 - P.202
文献購入ページに移動1889年にBatujeffによって発見された胎生期における内頸動脈脳底動脈吻合遺残の1つであるpersistent primitive hypoglossal artery(以下PHAと略す)の発生率は比較的稀とされていたが,脳血管撮影の普及により,近年その報告例が増加している.われわれが調べえた範囲では現在までに95例が報告されている.遺残動脈が臨床上問題とされ出したのは,動脈瘤の原因の1つとして論じられるに及んだためであるが,PHAと脳動脈瘤が併存する例は極めて稀であり,今までに19例が報告されているに過ぎない.最近われわれは,右内頸動脈後交通動脈分岐部動脈瘤に左側のPHAが併存した例を経験したので,動脈瘤発生機序の問題も含め若干の文献的考察を加えて報告する.
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