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研究
グリオーマに対するACNUおよび放射線の治療効果
著者: 峯浦一喜1 森照明1 片倉隆一1 佐々木武仁2
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科 2東北大学医学部放射線基礎医学
ページ範囲:P.257 - P.265
文献購入ページに移動脳腫瘍,ことに悪性グリオーマの治療において手術療法単独では限界があり,放射線療法,化学療法,免疫療法との併用がぜひとも必要な現況であることは脳神経外科医誰しもが痛感している.しかし,これらのどの組み合わせがよりよい治療効果をあげるかに関しては一定の結論に達していない.
併用療法の目的とは,①1つの療法で抗腫瘍効果に限界があるとき,他の療法がこれを補う形で抗腫瘍効果を発揮すること,すなわち効果作用が異なること,②作用の重複する方法では相乗的抗腫瘍効果を発揮すること,③副作用が重複せずに正常細胞を保護できること,である.これらが満足されれば治療効果の向上は明確である.われわれは今回,これらの点に留意してニトロソウレア系制癌剤1-(4-amino-2-methyl-5-pyrimidinyl)methyl-3-(2-chloroethyl)-3-nitrosourea hydrochloride(ACNU)1)と放射線の併用について検討を加えた.すなわちACNUと放射線併用では腫瘍細胞に対して相乗効果が発揮されるか,効果はACNU投与と放射線照射との時間的関係で変動するか,正常細胞に対する影響はどうか,という観点からin vitro, in vivoの実験を行った.
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