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研究
Cerebellar HemangioblastomaのCT所見に関する検討
著者: 中尾哲12 菊池晴彦1 松本皓1 唐沢淳1 有光哲雄1 坂下善治3
所属機関: 1国立循環器病センター脳神経外科 2神戸市立中央市民病院脳神経外科 3国立循環器病センターCT室
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動hemangioblastomaは全脳腫瘍の1-2.5%を占める比較的稀な腫瘍であるが3,5,6),良性腫瘍のため手術により腫瘍全摘が行われれば完治も可能である.したがって術前に行われる他の後頭蓋窩腫瘍との鑑別診断は極めて重要となる.ところで,後頭蓋窩腫瘍の補助診断法として,従来から行われてきた,椎骨動脈撮影をはじめとする神経放射線学的診断法は,必ずしも非侵襲的検査とはいえないその点,computed tomography(以下CT)は非侵襲的な検査法であるばかりでなく,腫瘍とその周辺の重要脳組織との関係をも正確に把握でき,すぐれた補助診断法といえる.しかし反面,CTでは血管走行に関する詳細な情報を得ることはできず,必ずしも本法のみで確定診断が可能なわけでもない.最近,われわれはcerebellar hemangioblastomaの6症例を経験したので,その術前CT所見を解析し,本症診断に対する本検査法の有用性について若干の検討を加えたので報告する.
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