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研究
いわゆる「もやもや病」への血行再建術とその問題点
著者: 中川翼1 下山三夫2 柏葉武2 鈴木大和3 後藤壮一郎3 宮坂和男4 竹井秀敏4 後藤聡5 大塚邦夫1 阿部弘1 都留美都雄1
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2柏葉脳神経外科病院 3宮の森脳神経外科病院 4北海道大学放射線科 5旭川赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.305 - P.314
文献購入ページに移動いわゆる「もやもや病」に対する浅側頭動脈—中大脳動脈吻合(STA-MCA吻合),encephalo-myo synangiosis等の血行再建術は,唐澤,菊地らの詳細な報告9-12)があり,その手術療法の価値は認められてきている1,2,6,13,20,21,23).
本症に対する血行再建術の意図するところは,TIA, RIND,知能低下等の虚血症状に対しては血流増加を,脳室内あるいは脳内出血症例に対しては,人為的側副血行路作成により,出血源と考えられるもやもや血管を縮小させ,自然にできた側副血行路としての負担を少なくすること,の2点にある.
しかしながら,その手術術式の選択,虚血症状に対する血小板凝集抑制剤併用の可否の問題等,今後解決すべき問題も少なくない17).われわれは,過去1年半に6例の本症の手術例を経験した.本稿ではその間に遭遇した2つの問題点について述べる.
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