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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科9巻3号

1981年03月発行

文献概要

症例

妊娠中期に破裂した重複中大脳動脈を伴った内頸動脈瘤の1例

著者: 尹清市1 尹清吉1 草野則文1 水木仁1 宮城潤1 倉本進賢1

所属機関: 1久留米大学脳神経外科

ページ範囲:P.337 - P.341

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I.はじめに
 妊娠中における脳出血症例(特にくも膜下出血)に対する外科的治療に関しては,2つの生命を守るという特殊な条件のために,従来脳神経外科医と産科医との間で意見の相違をみることがあった.しかし,現在では非妊娠中の脳出血に対する治療方針と何ら変ることなく,また胎児も自然経腟分娩が可能だとする意見が一般に認められている12).また一方,重複中大脳動脈は中大脳動脈の奇形の1つとして副中大脳動脈,窓形成,early bifurcationとともに注目されており,その報告例もしばしば散見される4,7,9-11,13,14,17-21).しかし,これらの中大脳動脈奇形に動脈瘤を合併することは稀であり,これまで15例の報告に留まる4,9,10,13,14,16-18,20,21)
 最近,われわれは妊娠中にくも膜下出血で発症し,脳血管撮影にて重複中大脳動脈を伴った同側の内頸動脈瘤を見いだした1例を経験したので,ここに若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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