文献詳細
文献概要
症例
CT所見より見た後頭蓋窩硬膜外血腫の検討
著者: 長嶺義秀1 園部真1 高橋慎一郎1
所属機関: 1国立水戸病院脳神経外科
ページ範囲:P.357 - P.363
文献購入ページに移動後頭蓋窩硬膜外血腫は従来稀な疾患とされ,金頭部外傷のわずか0.3%3,7,10)を占めるにすぎず,また天幕上の硬膜外血腫と比較しても全硬膜外血腫の約7%7,12)といわれる.しかしながらこれらの統計は,すべてcomputed tomography (CT)導入以前のものであり,CT導入以後はそれほど珍しいものではないと思われる.事実われわれの施設では,CT導入以前の3年間には1例の経験ももたなかったが,CT導入後1979年3月から1980年2月までの1年間に5例の後頭蓋窩硬膜外血腫を経験している.このことはまさにCT scanの後頭蓋窩血腫診断における有用性を物語っていると思われる.
われわれは自験例5例(手術群3例,非手術群2例)のCT所見を中心に述べ,文献上CT所見の記載のある後頭蓋窩硬膜外血腫の14例を合わせて検討し,手術適応に関連して若干の考察を加えて報告する.
掲載誌情報