文献詳細
文献概要
症例
脳腫瘍を疑わせた局所痙攣の1例—CT所見を中心として
著者: 伊勢博1 渡辺攻1
所属機関: 1千葉労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.389 - P.394
文献購入ページに移動I.はじめに
1973年にcomputerized tomography (以下CTと略)が世に出て以来,多くの研究がなされ,その診断学における重要性は計り知れない.しかし一方ではCTに頼りすぎて,神経学的所見,臨床所見等を軽視しがちになることもいなめない.CTによる診断と,臨床所見あるいはその他の神経学的な補助診断法による診断との不一致は日常多々経験するところである.われわれは臨床所見およびCTを含む神経放射線学的検査において脳腫瘍と診断し,開頭術を施行したが,組織学的に腫瘍は証明されず,1カ月後と3カ月後のCTでは正常像を呈し,抗痙攣剤投与により無症状となった症例を経験したので,今後のCTによる診断学の発展に何らかの役に立つことを願い報告する.
1973年にcomputerized tomography (以下CTと略)が世に出て以来,多くの研究がなされ,その診断学における重要性は計り知れない.しかし一方ではCTに頼りすぎて,神経学的所見,臨床所見等を軽視しがちになることもいなめない.CTによる診断と,臨床所見あるいはその他の神経学的な補助診断法による診断との不一致は日常多々経験するところである.われわれは臨床所見およびCTを含む神経放射線学的検査において脳腫瘍と診断し,開頭術を施行したが,組織学的に腫瘍は証明されず,1カ月後と3カ月後のCTでは正常像を呈し,抗痙攣剤投与により無症状となった症例を経験したので,今後のCTによる診断学の発展に何らかの役に立つことを願い報告する.
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