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Case Study
Craniopharyngiomaの術後経過にみられたHyperprolactinemiaの1例
著者: 三輪哲郎1 山本征夫1 東幸郎1
所属機関: 1東京医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.559 - P.566
文献購入ページに移動血中プロラクチン値の測定が容易になった現在,下垂体腺腫(chromophobe adenma)──macroおよびmicroadelloma──のhyperprolactinemiaに関する臨床報告は枚挙にいとまのないほどである1,4,10,26,30,32-34,36).しかし頭蓋咽頭腫(craniopharyngioma)2,11,18-20,23,24)におけるそれは極めて少ない.加藤(1978)17)の統計によれば460症例のhyperprolactinemiaを呈ける症例中,chromophobe adenomaは17%であるに対し,craniopharyngiomaは0.7%の発生率とされている.
しかし頭蓋咽頭腫はしばしば鞍上ないし視床下部への発育を示す傾向をもつので,後述するプロラクチン分泌調節機序から推察して,実際にはもっと多いものと考えられている.
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