Neurological Surgery 脳神経外科9巻5号

1981年04月発行

研究

頸動脈血栓内膜除去術—われわれの手術術式について

著者： 岩淵隆¹ 畑中光昭¹ 蛯名国彦¹ 鈴木重晴¹

所属機関： ¹弘前大学脳神経外科

ページ範囲：P.593 - P.598

I．はじめに
　虚血性脳血管障害の20^10）−40％^1）は頭蓋外頸動脈の狭窄ないし閉塞に起因するとされ，本邦においては以前は少ないと考えられてきたが，最近は欧米なみの発生であると指摘されている．その歴史は意外に古いにもかかわらず，本邦における普及には，なおもう一歩の感があり，その理由の1つは，手術井にも，文献にも具体的な手術手技の記載がわずかしかないことにもよると思われる^7,14）．われわれは13例の頸部頸動脈の血栓内膜除去術について，内シャントを用いず，interlacing vascular sutureを行ってきたので，その手術手技を紹介し，諸賢のご批判を仰ぎたい．