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症例
血栓摘除術を施行した中大脳動脈閉塞の1例
著者: 村本真人1 金和子1 金一宇1
所属機関: 1西新井病院脳神経外科
ページ範囲:P.733 - P.738
文献購入ページに移動近年,脳内主幹動脈閉塞症の外科的治療は頭蓋内外血管吻合術が一般的である.しかし中大脳動脈三叉部を含む閉塞や,その直後の閉塞においては,上記術式では,梗塞部の血行を確保することは困難であり,血栓摘除術が必要となってくる.中大脳動脈主幹および末梢の閉塞症に対する血栓・塞栓摘除術の報告例は,1954年Welch14)以来比較的多くみられるが1,7,11,15),急性期例に限りてみれば報告例は少なく1,5,15-17),しかもそのほとんどは,術後,出血性梗塞や脳浮腫等の合併症を来たし,予後の悪い例が多い.一方,最近注目されている脳梗塞急性期における自然血流再開例をみても3,4).その臨床症状はむしろ増悪傾向を示すものが多く,急性期における血流再開には未解決の問題を多く抱えているのが現状と考えられる,今回われわれは,中大脳動脈分枝閉塞症において,急性期に血栓摘除術を施行し,良好な機能予後の得られた症例を経験したので,問題解決の一助となればと考え,若干の考察を加えて報告したい.
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