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研究
Meningiomaの血管内皮細胞の微細構造に関する電子顕微鏡学的研究
著者: 大杉保12
所属機関: 1愛媛大学脳神経外科 2モンテフィオーレ病院神経病理学教室
ページ範囲:P.807 - P.817
文献購入ページに移動I.はじめに
脳腫瘍の微細構造に関する研究は数多くなされてきたが,その多くは腫瘍細胞に対する研究であり,腫瘍を栄養する血管についての研究報告は少なかった.meningiomaにおいても同様なことがいえる.
正常の中枢神経系の血管構造は,基本的には全身の他のorganを栄養する血管と類似している.しかし,微細構造にはかなりの相違が存在し,その大部分は血管内皮細胞にあることが認められている.まず第一に重要な相違は,B.B.B.つまりblood brain barrierの存在,血管内皮細胞の透過性の問題である.次に,Weibel & Paladeにより,skin, lung等,全身の一般のorganを栄養する血管内皮細胞に認められたtubular bodyであり40),これが正常の中枢神経系を栄養する血管内皮細胞に認められることは非常に珍しい所見であると考えられている9,10,12,15).この中枢神経系に特異的に存在する2種類の微細構造,すなわちblood brain barrierの形態,およびtubular bodyも,多くの病的状態のもとでは著しい変化を示す.
脳腫瘍の微細構造に関する研究は数多くなされてきたが,その多くは腫瘍細胞に対する研究であり,腫瘍を栄養する血管についての研究報告は少なかった.meningiomaにおいても同様なことがいえる.
正常の中枢神経系の血管構造は,基本的には全身の他のorganを栄養する血管と類似している.しかし,微細構造にはかなりの相違が存在し,その大部分は血管内皮細胞にあることが認められている.まず第一に重要な相違は,B.B.B.つまりblood brain barrierの存在,血管内皮細胞の透過性の問題である.次に,Weibel & Paladeにより,skin, lung等,全身の一般のorganを栄養する血管内皮細胞に認められたtubular bodyであり40),これが正常の中枢神経系を栄養する血管内皮細胞に認められることは非常に珍しい所見であると考えられている9,10,12,15).この中枢神経系に特異的に存在する2種類の微細構造,すなわちblood brain barrierの形態,およびtubular bodyも,多くの病的状態のもとでは著しい変化を示す.
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