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症例
CTでDiffuse high densityと一過性反復性動揺視を示した小脳橋角部類上皮腫
著者: 長島親男1 坂口新1 高浜素秀2 坂田英治3 金沢致吉3 入野靖子3 大関家行4
所属機関: 1埼玉医科大学脳神経外科 2埼玉医科大学病理 3埼玉医科大学耳鼻咽喉科 4埼玉医科大学放射線科
ページ範囲:P.851 - P.859
文献購入ページに移動一般に頭蓋内硬膜内の類上皮腫epidermoid or epidermal cystの(CT像は,均等なlow densityが特徴とされてきた2,5,6,8-13,16,17,22,23).われわれは病理組織学的に類上皮腫であるのにdiffuse high density (EMI units +21ないし+49)を示した症例を経験した.このような類上皮腫は極めて稀であり,文献上CT所見の明らかな41例中4例をみるに過ぎない4,10).しかし少数ではあっても小脳橋角(以下CPAと略す)腫瘍のCTの鑑別上無視することはできない,特にplain CTでhigh densityを示す髄膜腫や,ある種の聴神経鞘腫22)との鑑別は重要である.しかも,本例は動揺視のなかでも特異な病態の1つである「一過性反復性動揺視」を示し,これを記録することに成功した.
最近Deeらは,CPAの類上皮腫でhighでもlowでもないためCTでは診断できず,気脳写,血管写によって診断しえた症例を報告し,Isodensityの症例があることを示した7),そこで文献上,CT所見の明らかな42例を硬膜内,硬膜外,板間の各群に分け,CT所見を集計し文献的考察を行った.また,一過性反復性動揺視の発現機序についても考察した.
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