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研究
企図振戦の治療
著者: 村山佳久1 津田敏雄1 坂本学1 曾我部紘一郎1 松本圭蔵1
所属機関: 1徳島大学脳神経外科
ページ範囲:P.911 - P.918
文献購入ページに移動多発性硬化症,脊髄小脳変性症,Wilson病,上赤核症候群,家族性本態性振戦,頭部外傷後遺症等にみられる著しい企図振戦は,患者の日常生活に大きな苦痛を強いるものである.企図振戦という概念と用語は古くCharcotまでさかのぼることができるが,その臨床分類,病態生理について,現在でもなお多くの問題点を残している.また企図振戦自体に対する積極的な治療法についての検討も比較的少ないのも現状である.近時交感神経β遮断剤が有効であったとの報告6,12,26,32)もみられるが,この薬剤が有効な例も限られ,普遍的治療法とはなりえないようである.一方,外科的治療法として,視床腹外側核手術が企図振戦に劇的に有効であることが,1959年Cooper4)により報告され,その後多くの追試によりその有効性が確認された.しかもこの手術は,成書17)にも記載されるに至っているが,本邦では一般的な治療法として広く行われるには至っていないように思われる.そこで当教室で,視床腹外側核手術が行われ,症状の消失をみた6例を報告するとともに,病態生理について若干の私見を加えてみたい.
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