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研究
両側前頭開頭術における嗅神経温存症例の嗅覚の機能的予後—前交通動脈瘤症例を基に
著者: 鈴木二郎1 吉本高志1 溝井和夫1 佐藤雅弘2
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科 2東北大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.921 - P.924
文献購入ページに移動前交通動脈瘤に対するapproachは,諸家によりさまざまな方法がとられているが1,2,4,9),われわれは脳動脈瘤の左右の流入流出動脈4本を確実に確保し,脳動脈瘤の全貌を露出できること,また正常脳の損傷が少ないこと等の理由から,両側前頭開頭で大脳半球間より動脈瘤に接近する方法が最も安全で確実な操作ができると考えて手術を行ってきた3,6).しかし,この方法の唯一の欠点は,嗅神経を損傷せざるを得ないことであった.
1961年より1979年までに,東北大学脳研脳神経外科で経験した脳動脈瘤頭蓋内直接手術症例は1,500例であり,そのうち前交通動脈瘤は509例であった(Table 1).これらの症例の経験から,両側前頭開頭を用いても,嗅神経の温存が可能であることにある時点で気づいた5,7).
本報では,1976年以降の前交通動脈瘤症例を基に,嗅神経温存症例の嗅覚の機能的予後について述べる.
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