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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科9巻9号

1981年08月発行

文献概要

研究

正常圧水頭症と高血圧性脳血管障害—臨床例の検討

著者: 野田真也12 藤田勝三1 楠忠樹1 玉木紀彦1 松本悟1

所属機関: 1神戸大学脳神経外科 2兵庫県立淡路病院脳神経外科

ページ範囲:P.1033 - P.1039

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I.はじめに
 1965年に,treatable dementiaとしてHakim11)とAdam1)によって初めて提唱された正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus,NPH)の診断手段として,近年,次々に新しい検査法が導入されている.この結果,種々の判断基準が提示され,一方ではNPHの病態の個々の側面が明らかになりつつあると同時に,他方では,その一疾患単位としての本質的な理解が困難になってきている面も否定できない.NPHの臨床徴候および診断基準を満たしていながら,shunt手術に反応しない一連の患者群や,逆に,臨床徴候,診断基準を満たさないのに,shunt手術により症状の改善がみられる患者群が存在することも経験される.
 このような事実を前にして,その定義に「髄液排除により寛解する」という1項目を付け加えることが妥当であるかどうか,更には「NPHとは何か」という定義そのものの問い直しが迫られているのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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