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技術講座 一般
潜血反応(試験紙法)について
著者: 相賀静子1
所属機関: 1国立東京第一病院研究検査科
ページ範囲:P.70 - P.71
文献購入ページに移動 潜血反応は便,胃液のほか最近では尿中の微量の溶血を知るために行なわれるようになった.検査の意味は消化管系または尿路のどの部分の出血を確認するというものではない.消化管系全般,あるいは尿路系全体のうちのどこの出血であっても検査できるといった程度のばく然としたものでしかない.尿検査に取り入れられた理由は,尿のタンパク定性反応に以前は感度のよいスルホサリチル酸法が用いられていたが,現在ではほとんど試験紙法に変わってしまったことがあげられる.
スルホサリチル酸法で陰性ならタンパクはもちろん,尿沈渣にも異常はないであろうと考えられている.ところが試験紙法にかわってから沈渣をそれほど重視しないこともあって,尿中での溶血ということが問題にされるようになった.尿のpHの変化,低比重などにより赤血球はいろいろな形態をとり,中には溶血を起こしそうな赤血球もみられる.沈渣を鏡検してそれほど赤血球がみられないのに尿タンパク量が多いことがあるのが知られている.その原因がすべて溶血のためのヘモグロビン尿であるとはいえないが,低比重(1.006以下)尿,アルカリ性尿,その他の条件によって溶血し,もっとたくさんあるはずの赤血球が少ないのではないかとも考えられた.
スルホサリチル酸法で陰性ならタンパクはもちろん,尿沈渣にも異常はないであろうと考えられている.ところが試験紙法にかわってから沈渣をそれほど重視しないこともあって,尿中での溶血ということが問題にされるようになった.尿のpHの変化,低比重などにより赤血球はいろいろな形態をとり,中には溶血を起こしそうな赤血球もみられる.沈渣を鏡検してそれほど赤血球がみられないのに尿タンパク量が多いことがあるのが知られている.その原因がすべて溶血のためのヘモグロビン尿であるとはいえないが,低比重(1.006以下)尿,アルカリ性尿,その他の条件によって溶血し,もっとたくさんあるはずの赤血球が少ないのではないかとも考えられた.
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