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文献詳細

雑誌文献

検査と技術1巻4号

1973年07月発行

文献概要

技術講座 血清

血液分離,保存,赤血球浮遊液

著者: 竹内直子1

所属機関: 1慈恵医大病院輸血部

ページ範囲:P.62 - P.63

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1.分 離
 1)血清を必要とする場合
 原則的には,前日の夕食をぬいて翌朝採血する.こうすると乳糜(血清が白く濁って,上に雲のような膜がはっている)しないきれいな血清を採取することができるが,臨床検査では患者から採血するのがほとんどであるから,食事をぬくことは治療上問題のある場合もあるので,一般には食事前の早朝に採血するとよい.採血時の注意としては,採血後注射器に針をさしたまま試験管にそそぐと溶血を起こすので,針は必ずとってから試験管に移すこと.採血が終わったら,37℃の孵卵器に入れる.20-30分でフィブリンが析出し,凝固が完了する.その後,3,000rpm 5-10分,遠心回転させると,血球(血餅)と血清に分離できる.急ぐ時は採血後ただちに3,000rpm 10分遠心する.このときは凝固がまだ全部終わっていないので,血球も血清部分もフィブリンでいっしょに固まっているから,これをガラス棒ないしは竹棒で試験管の内壁からはがして(そっと一周させる),もう一度3,000rpm 5分遠心する.20分後には血清を分離することができる.ふつうは,全血液量の1/3-1/2の血清がとれるが,貧血のある患者は1/2以上の血清がとれる場合もあるので,担当医や看護婦さんに患者のヘマトクリット値などを聞き,必要以上の血液採取をしないよう心がけたい.分離血清をとったのち,血球(血餅)部分を1夜冷蔵庫に静置し,血餅を十分収縮させると,また少量の血清を採取できることも考慮してよいことと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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