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文献詳細

雑誌文献

検査と技術1巻6号

1973年09月発行

文献概要

臨床検査技師のための 化学

化学反応・6 酸化・還元反応(1)

著者: 吉田光孝1

所属機関: 1東邦大理学部

ページ範囲:P.28 - P.31

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 この反応は私たちにとって最も身近な重要な化学反応である.生物は主として呼吸によって食物から得られた栄養物を酸化(燃焼)し,生じたエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)のような高エネルギーリン酸化合物として化学的にとらえ,これを筋肉の運動や生物体の構成分の合成のためのエネルギーなどに利用して生命現象を維持している.
 そのほか,燃料が燃えるのも,金属がさびるのも,インクが変色するのも,みな空気中の酸素の酸化作用である.また酸化剤を使って消毒,殺菌を行なうこともある.漂白には酸化剤や還元剤が使われる.鉱石を還元して金属を,亜硫酸ガスを酸化して硫酸を,アンモニアを酸化して硝酸を作る.電池は酸化・還元反応を利用して電流を得る装置であるし,電気分解の際にも酸化・還元が行なわれる.また臨床化学分析法にも広く利用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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