文献詳細
文献概要
医学の進歩をになった人々
北里柴三郎・6(最終回)
著者: 中溝保三1
所属機関: 1都立荏原病院
ページ範囲:P.49 - P.51
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明治41年にローベルト・コッホは,日本を訪ねた.これは北里柴三郎の招請に応じたものであったが,滞日中の40日余の間,北里は子が親に接するような敬愛の念をもってコッホの接待に努めた.コッホが軽い狭心症の発作を起こした時には,お花さんという付き添い婦をずっと世話係としてつけさせたばかりでなく,この女性をコッホが帰国する時ドイツまで同行させて,コッホ夫妻が安心して旅行ができるようにと取り計ったほどである.
コッホの講演会が上野の音楽学校で開催された時,北里はその通訳にあたったが,出席したコッホ夫人は,かたわらの人をかえりみて,
明治41年にローベルト・コッホは,日本を訪ねた.これは北里柴三郎の招請に応じたものであったが,滞日中の40日余の間,北里は子が親に接するような敬愛の念をもってコッホの接待に努めた.コッホが軽い狭心症の発作を起こした時には,お花さんという付き添い婦をずっと世話係としてつけさせたばかりでなく,この女性をコッホが帰国する時ドイツまで同行させて,コッホ夫妻が安心して旅行ができるようにと取り計ったほどである.
コッホの講演会が上野の音楽学校で開催された時,北里はその通訳にあたったが,出席したコッホ夫人は,かたわらの人をかえりみて,
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