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文献詳細

雑誌文献

検査と技術1巻7号

1973年10月発行

文献概要

技術講座 病理

多糖類の染色

著者: 鬼頭花枝1

所属機関: 1愛知県がんセンター研究所

ページ範囲:P.66 - P.67

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 炭水化物は,脂肪,タンパク質とともに生体の3大構成分の1つであるが,これはブドウ糖(単糖),ショ糖(2糖)などのように分子量の小さいものから,グリコゲン,酸性多糖などのように数万から数百万という高分子量をもったものが含まれる.これらは上皮細胞および間質のエネルギー源として,あるいは構成要素として生体内で重要な役割を演じているが,種々の生活環境あるいは疾病の際に増減することが知られている.
 ブドウ糖,乳糖などの低分子量のものは溶解性が高く,すみやかに細胞,組織から遊離するため,組織化学的な証明は困難であるが,高分子の単純多糖(グリコゲン,セルロース,デキストリン)および複合多糖(粘液多糖,糖タンパク,糖脂質,アミロイド)などは,溶解性も低く,かつ種々の細胞および組織の構成分と結合して存在するため,固定,脱水,脱脂操作を注意すれば,普通のパラフィン切片でも,これら物質の証明が可能である.肝要な点は多糖類の種類により固定液の選択,固定条件をよく吟味することである(アルコール系,ピクリン酸系,緩衝等張液の使用など).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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