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文献詳細

雑誌文献

検査と技術1巻8号

1973年11月発行

文献概要

病気のはなし

脊髄の病気

著者: 安藝基雄1

所属機関: 1虎の門病院神経科

ページ範囲:P.16 - P.19

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脊髄の解剖
 脊髄は中枢神経系の一部で,延髄につづき脊椎管の中を上下にのびる円柱状の構造で,前後にやや平たく,その下端は急に細くなって脊髄円錐と呼ばれますが,第1〜第2腰椎の高さにあたり,日本人では平均男41〜47cm,女40〜45cmの長さで,その尖端からは終糸となって尾骨の背面に付着しています.脊髄は(これから出る脊髄神経と対応させて)頸髄,胸髄,腰髄,仙髄,および尾髄に区分し,それぞれは8,12,5,5,1の各脊髄節から成るものと便宜上考えていますが,頸髄を8脊髄節から成るとするのは,第1頸椎と後頭骨との間から出る脊髄神経を第1頸神経とすると8対の頸神経があることになる点に対応させたものです(図1).
 脊髄を断面で見ると,図2のごとく,深部にほぼH字状をなして灰白質(主に神経細胞より成る)があり,白質(主に神経線維より成る)がこれを取り囲んでいます.灰白質のうち,腹側に突出した部分は前角,背側に突出した部分は後角と呼びますが,この間の部分は中間部で,頸髄の下部から胸髄の上部にかけては,はっきりした側角を作っています.前角は運動,後角は知覚,さらに側角は自律神経の機能と関係が深いのです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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