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文献詳細

雑誌文献

検査と技術1巻9号

1973年12月発行

文献概要

病気のはなし

骨髄の病気

著者: 中尾勈1

所属機関: 1関東逓信病院体液研究室

ページ範囲:P.16 - P.19

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骨髄の構造と機能
 骨髄は,(1)細網細胞とレチクリン線維,(2)血管と神経,(3)産生血球,(4)脂肪細胞から成り立っています.レチクリン線維は,網の目を形成して骨髄中の支持体の役を果たしています.鍍銀染色で見ると,レチクリンは,脂肪細胞とその回りを走る血管に沿って走り,産生された血球はレチクリンの間のスペースに存在しています.レチクリン線維の両端は,骨内膜と細網細胞につながっています.骨髄線維症や骨髄硬化症などでは,このレチクリンが増生します.
 血管は,骨の栄養孔から栄養動脈として骨髄にはいり,拡張した薄い壁をもつ静脈洞と呼ばれる多くの血管に分かれるのですが,この静脈洞は閉ざされた管腔になっていて,血球の産生場所である実質と内皮細胞によって壁を立てたように区画されており,常時は,静脈洞と実質の間に交通はありません.しかし,一時的に壁が破れて血球が静脈洞内にはいり込み,それが流血中に運ばれますし,白血球は壁をくぐり抜けて静脈洞にはいります.骨髄は,胎児以外は,赤血球,顆粒球,栓球を産生する唯一の母地です.リンパ球は大部分リンパ節で産生されますが,一部はやはり骨髄で造られます.単球も骨髄で造られる説が有力です.これらの血球の元である母細胞は,いずれも間葉性または原始細網細胞とされています.骨髄の有核細胞数は10〜20万/mm3で,数は病気により増減します.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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