文献詳細
検査を築いた人びと
文献概要
心音が診断に重要な所見であることは早くから知られていたが,特にラエネックが聴診法を発明して以来,ますますその価値が高まった.そうしたなかで,当然のことながら心音を聴くよりも,見えるものにしたいという考えが起こってきた.その口火を切ったのがパリ生まれの生理学者A.D.ワーラーであった.彼は毛細管電気計を使ってヒトの心臓活動電位を初めて記録したのである.しかし,残念なことにこの心電図は現在のものとずいぶん違った波形を示し,実用化されるまでにならなかった.だが,この仕事をヒントにウィレム・アイントーヴェンが心電図の研究を始め,ついに誰でも使える心電図計を発明したのである.
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