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文献詳細

雑誌文献

検査と技術10巻11号

1982年11月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

酵素蛋白量と活性

著者: 甲田一馬1 林長蔵1

所属機関: 1大阪大学病院中央検査部

ページ範囲:P.952 - P.956

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生体試料中の酵素量
(測定の意義)
 よく知られているように,生体は無数のそして互いに錯綜した物質代謝により,生命を維持している.そしてそれらの物質代謝は,酵素の働きにより進行し,制御されている.したがって生物のあらゆる組織,細胞にはその機能を発揮するに必要にして十分なだけの種類と量の酵素が存在していることは想像に難くない.そして,これらの酵素が何らかの理由で質的,または量的な変化を起こすと,その組織・細胞は平衡をくずし,そのことが疾患につながるか,また逆に組織・細胞の病変が原因となって,そこに存在する酵素の質的・量的な変化となって表われる.すなわち,ある試料中には決まった酵素が,決まった量だけ存在していることがすでに知られており,特定の組織の(例えば血中の)特定の酵素量を調べることは疾患の病態解析に重要な手がかりが得られることはすでに明らかである.またこれら酵素の増減と,疾病との関係を図式化して説明されている総説は多く見られる1,2)
 一方,Bücher3)は血清に存在し,その増減が臨床的に意義のある酵素について表に示したような分類を紹介した.この分類によると,血清中に当然存在し,その減少が臨床的な異常に直結する酵素群と,健康時には血清中に存在しないが,その増加が特定の(または非特異的である場合もあるが)臓器からの血中への逸脱を意味する場合があることがわかる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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